マンガの神様・手塚治虫の傑作医療漫画「ブラック・ジャック」が読者に問いかけること
手塚治虫先生といえば、あの「鉄腕アトム」を生み出した日本屈指の漫画家です。実は彼、大学で医学を勉強していたんです。
そんな手塚先生の代表作の一つが今回ご紹介する「ブラック・ジャック」。「医療と生命」をテーマに繰り広げられる物語は、私たちに様々なことを問いかけます。
あらすじ
天才外科医、人呼んで「ブラック・ジャック」は、その持ち前の技術で、死を目前にした患者たちを奇跡的に次々と治していきます。
しかし、彼はいつもその対価として莫大な治療費を要求。
しかも驚くことに、彼は無免許医なのです。
そんな彼の元には、「難あり」の患者たちがひっきりなしに訪れます。
登場人物
1.ブラック・ジャック
このマンガの主人公、無免許医。
毎回莫大な治療費を要求するので、悪徳医師として扱われることもしばしば。
しかしながら、奇跡の腕前で患者を次々に治していくため、天才外科医としてその名を轟かせています。
彼は母と共に不発弾事故に遭い、体がバラバラになってしまった過去が。
それを治療し、奇跡的に彼を生還させたのが彼の恩師、外科医・本間丈太郎です。
2.ピノコ
ブラック・ジャックと共に暮らす女の子。
あることが理由でブラック・ジャックと出会い、一緒に暮らすことになった。
見た目は子どもですが、実は18~20歳くらい(その理由はストーリー内で明かされます)。
彼女はブラック・ジャックの奥さんのつもりでいるよう。
ブラック・ジャックの助手を務めるなど、ストーリー内で大活躍する。
3.本間丈太郎
不発弾事故に遭い瀕死だったブラック・ジャックを助けた彼の恩師。
ブラック・ジャックに医者になるきっかけを与えた人物。
4.ドクター・キリコ
法律に触れないように安楽死を請け負っている医者。
元軍医で、負傷した苦しみの中で死ぬことができない兵士たちを安楽死させ、感謝された。
その経験から、安楽死を扱うようになった。
ストーリー中ではブラック・ジャックのライバルのような立ち位置。
筆者が選ぶ、名ストーリー3選
ブラック・ジャックの物語は一話完結型です。そこで、ここで皆さんに、筆者が選ぶ名話3作品をご紹介したいと思います!
1.上と下
ブラック・ジャックは、ある大企業の社長の手術をすることに。
その社長の血液型は「RH-」と非常に珍しいもので、彼を助けるため、近くの工事現場から同じく「RH-」の血液型をもつ作業員が連れてこられます。
無事に手術は成功し、社長は大事な取引のためにアメリカ行きの飛行機へ搭乗します。
すると彼の元へ、あの作業員が瀕死で輸血が必要だという連絡が届きます。
しかしこの飛行機に乗らなければ取引に失敗し、会社の未来はありません。
会社の未来と恩人の命を天秤にかけた社長の決断とは?
2.六等星
次期院長を決めるため、ある2人の医師の汚い権力争いが続いていた真中病院。
その2人以外に、同じキャリアを持つ医師・椎竹先生がいました。
素晴らしい技術を持ち合わせていながら、病院の中では全く目立たない椎竹先生は院長候補外。
しかし、その候補2人が汚職事件で逮捕されてしまい・・・。
3.笑い上戸
中学時代、ブラック・ジャックにはある友人がいました。
その友人は、いつも楽しそうに笑っています。
最初は彼のことが気に食わなかったブラック・ジャック。
しかし、彼の過去、彼の夢を知り、だんだんと惹かれていきます。
そんなある日、2人に災難がふりかかることになるのです。
ブラック・ジャックはただの漫画ではなく、
「生と死」とは何か?
「医療」とは何か?
「命」とは何か?
様々なことを考えさせてくれる作品です。
手塚治虫氏が70年代、80年代に描いた日本の古い作品ですが、未だに色あせることはありません。日本国内だけでなく海外の皆さんにも、ぜひ一度は読んでいただきたい作品です。
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