長崎くんちの舞台「諏訪神社」 ― 本殿までのいくつもの鳥居と、193段の長い石階段
長崎駅から路面電車と徒歩で約10分とアクセスしやすいところに「諏訪神社」はあります。ここは、地元人から「おすわさん」と呼ばれ、親しまれている神社です。
今から360年前(1624年)、当時の長崎は、キリスト教の広まりにより、神社も寺もすべて焼き払われて無くなっていました。そこで、初代宮司・青木賢清(あおきかたきよ)という人物が、徳川幕府の援助を受けて、この神社を再興したと言われています。
毎年10月7日早朝、こちらの本殿前の広場で、神様に奉納する踊りが披露され、地元のTV番組で生中継されるのは、長崎の秋の風物詩となっています。
上の写真は、諏訪神社の入口です。とても大きくて立派な鳥居が構えられています。ここから本殿までの石段はなんと約193段あり、本殿まで一気に駆け上ると息が切れること間違い無しの段数です。
今回は、この諏訪神社にお参りする時にぜひ見てほしいベストスポットを2編にわたってご紹介します。前編は、その鳥居についてです。
本殿まで続くいくつもの門
本殿まで続く約193段の階段までに三つの門があります。
1.参道入口の鳥居 → 2.参道の鳥居 → 3.階段上の神門
この写真は、最初の門となる参道入口の鳥居です。両サイドに並ぶ巨大な石造りの灯篭と、向かって左側の「諏訪神社」と書かれた石柱が目印となっています。毎年、長崎くんち(諏訪神社の祭礼)の季節とお正月の季節は、このあたり一帯が参拝客で賑わいます。
参道入口の鳥居をくぐると五つの鳥居が見えます。(古い順から、一の鳥居、二の鳥居、三の鳥居、四の鳥居、五の鳥居)
一番古い「一の鳥居」は、1835年、青銅製で建立された後、台風により倒壊したり、戦時中の金属需要で撤去されたりしましたが、1952年、戦後講和記念として、鉄筋コンクリートで再々建立されたそうです。
また、参道の敷石には、「男石」と呼ばれる丸い形をした石や、「女石」と呼ばれる六角形をした石が埋め込まれていて、これらの石を踏んでいき、最後に本殿正面にある「陰陽石」を踏んで参拝すると、好きな人と結ばれると言われています。男石と女石があるのは、いずれも参道の鳥居近くがヒント。ぜひ探しながら歩いてみて下さい。
ようやく五つの鳥居を抜けてもまだまだ本殿までの道のりは続きます。最後に見えてくるのがこの長い階段です。この階段は、大門に続く「長坂」と呼ばれる石段で、73段あります。
長坂からは、長崎市内の建物が一望できます。階段なのになぜか「長坂」と呼ばれています。
見下ろしたこの写真中央に見える広場が、長崎くんちの踊り場です。ここで毎年秋に「コッコデショ」「蛇踊り」などの伝統的な踊りが披露されます。しかし、その観覧チケットはものすごい倍率で、一般客はなかなか見ることはできません。10月7日当日、チケットがないため、地元TV番組の生放送でこの奉納踊りを見る人も多いです。地元の一大イベントです。地図
ここまでの記事は、多くの鳥居をくぐって、本殿まで階段をのぼって行ってみました。
まだまだある、残りの見所はこちら:
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