瀬戸内「しまなみ海道」観光の楽しみ方 ― 島々を結ぶ約70kmの海の道(サイクリングロード)
海の道「しまなみ海道」について
映画「タイタニック」の最も有名な場面に、主人公のジャックが黄昏時のタイタニック号のデッキの先端で、 ヒロインのローズを背中から抱きしめるシーンがあります。そこでローズは両手を広げこう言うのです。「I’m flying. Jack.(ジャック、私飛んでるわ。)」
タイタニック号のような豪華客船の先端で、愛する人に支えられながら両手を広げる体験をすることはなかなか難しいことですが、海の上を飛んでいるかのような感覚を体験できる場所ならば日本にもあります。広島県と愛媛県を結ぶ約70kmの海の道「しまなみ海道」です。
広島県尾道市から、向島・因島・生口島・大三島・伯方島・大島、そして愛媛県今治市、本州と四国の間を6つの島が橋でつないでいます。
日本有数のサイクリングロード
空を飛んでいるような感覚を味わうには、何と言っても風を切って走る「自転車」が必要です。
ここしまなみ海道には、途中13カ所のレンタサイクルターミナルがあり、そこで自転車を借りることができます。借りた自転車はどのターミナルへも乗り捨てOKで、自転車で走るために整備された道がありますから、普段あまり自転車に乗らないという人でも、気軽にサイクリングを満喫することができます。
島と島とを結ぶ橋の上は、怖さを感じるほどの高さがあるため、まさに海上を飛んでいるかのような感覚を味わえることでしょう。実際、筆者もその感覚を味わいました。
レンタサイクルターミナル:http://www.go-shimanami.jp
道中の魅力
しまなみ海道は全長約70kmあるので、一度に全部を走破できないこともあります。そんな時は、途中の島々で一泊すると良いでしょう。魅力はやはり、その土地の特産品と海の綺麗さです。
生口島のレモンは、瀬戸田レモンと言われ、国産レモンの約3割を占めており、日本一の生産量を誇ります。切ると同時に香りが広がり、様々な料理と相性良く、健康にも良い食材です。
「は・か・た・の・し・お!」というCMで有名な伯方の塩は、伯方島を発祥とし、現在では大三島工場で生産されています。伯方島の道の駅で食べられるこの塩を使った塩ソフトクリームは、甘さとしょっぱさが絶妙な人気スイーツとなっています。
自転車の旅だからこそ気付く海の綺麗さ、大自然。海上浮遊という映画のワンシーン並みに気持ちの良い極上体験は、単なる国内旅行にとっておきのスパイスを加えてくれるはずです。是非とも味わってほしいと共に、その時にはローズになった気持ちでぜひ言ってみましょう、「I’m flying.」と。