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Goin’ Japanesque!

1巻完結の超おすすめマンガ ― 現代版ファウスト(だが、喜劇)「それでも世界を崩すなら」

ゲーテの「ファウスト」は、悪魔メフィストと契約したファウストが「幸せ」を得る為に苦悩する悲劇です。

それと似た内容の現代マンガが日本にあります。

それは、内気な少女と悪魔が交わした契約の顛末を描いた作品「それでも世界を崩すなら」です。

本作品が本家「ファウスト」と違う点は、このマンガは「悲劇」ではなく「喜劇」である事です。

 

あらすじ

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主人公の「黒野書子(くろの かくこ)」は、ごく普通の女子高校生。

しかし、引っ込み思案で臆病で、学校にも私生活にも友達がいない。

父子家庭で、決して裕福とは言えない家庭に育つ。

そんな冴えない生活を送る「黒野書子」が、自宅で悪魔「ノーネム」を呼び出した。

現れた悪魔「ノーネム」へ「黒野書子」は願う。

 

「世界をめちゃくちゃにする力が欲しい。」

 

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しかし、世界が「つまらない」のは、「黒野書子」自身のせいであり、そんな願いを聞き入れる気はないと悪魔「ノーネム」は「黒野書子」の願いを拒否する。

だが、異常に食い下がる「黒野書子」に対して、悪魔「ノーネム」は願いを叶える為の「条件」を提示した。

「黒野書子」が「友達」を作る事が出来たら、「黒野書子」の願いを叶えてやろう。

こうして、内気な女子高生「黒野書子」と悪魔「ノーネム」の生活が始まった。

 

登場人物

1.黒野書子

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本作の主人公、長い黒髪で大きな縁のメガネがトレードマークの大人しい女子高生。

見た目通りで性格は「内弁慶」。

更には、悪魔「ノーネム」の指示に対して屁理屈をこねまわす。

しかし、悪魔「ノーネム」の前では饒舌で強気だが、実際は他人と喋るのが苦手で、挨拶すらまともに交わせない程。

2.悪魔「ノーネム」

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「黒野書子」によって現世に呼び出された悪魔。

非常に現実主義的で合理主義者。

たわむれに「黒野書子」へ地味な嫌がらせを行うのが趣味。

しかし、「黒野書子」を目に見えない形でサポートしたり、悪魔らしからぬ思いやりに溢れる人物。

頭に被っているのは、日本の民芸品「あかべこ」(赤い牛)の仮面で、常時、素顔は隠している。

 

考察

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「それでも世界を崩すなら」は、単行本1冊の短い物語です。

作者は「陸野二二夫」、読み切り短編を主に発表しており、本になるくらいの長編作品は本作品が初作品です。

 

物語は「ファウスト」と同様に悪魔と主人公が「契約」を交わす事から始まります。

しかし、「ファウスト」と違うのは、悪魔「メフィスト」が主人公「ファウスト」に対して色々と魔法を使って誘惑するのに対して、本作品では、悪魔「ノーネム」が主人公「黒野書子」へ色々と「課題」を出し、主人公が自力で「課題」をクリアしなくてはならないところでしょう。

エピソードでは「誰か同級生へ挨拶する」から始まり、「親を説得してケータイをスマートフォンへ機種変更する」など、大人ならばたいした「課題」ではないものばかりです。

しかし、この頃の少年少女世代には大変な「課題」であり、この物語に登場する「課題」を見れば、ひとつくらいは、読者自身にも覚えがあるエピソードに出会える筈です。

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主人公「黒野書子」は何かと屁理屈をこねて、悪魔「ノーネム」の「課題」を拒否しようとします。

主人公「黒野書子」のその「屁理屈」や、二人のやりとりが軽快で面白く、その魅力的な導入によって、読者を自然と物語の中へと引き込む手際は非常に上手いといえます。

そして、引っ込み思案で内弁慶、口を開けば屁理屈ばかり言う主人公「黒野書子」は、現実に居れば非常にイヤなキャラクターです。

しかし、本作品を読むと、そんな嫌な性格であるのに、「黒野書子」の事を嫌いにはならない筈です。

物語の中で、そうした性格が自己防衛の表れであり、本当は繊細でやさしい少女である事が巧みに表現されています。

その結果、読者は「黒野書子」に対して嫌悪ではなく、その頑張る姿に応援をしたくなる筈です。

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物語では、悪魔「ノーネム」が出す「課題」をこなすうちに、主人公「黒野書子」の周りには人が集まるようになります。

しかし、実は悪魔を召喚できる能力を持つ「黒野書子」の魔法の才能を狙って他の悪魔も出現し、「黒野書子」を言葉巧みに誘惑する様になります。

物語後半からは、そうした周囲の人達との関わりに悩む「黒野書子」が描かれ、誰しもが一度は悩んだ青春時代の問題を面白おかしく描いています。

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Berial the Demon

About the author

It has been over 40 years of reading manga in the deep world of manga. Japan’s manga has an endlessly wide variety of genres. I will be recommending special manga for you to read from such infinite amount of works.

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