日本の伝統甘味「あんこ」 ― おいしい和菓子でホッと一息
日本のお菓子といえば和菓子。見た目の美しさはさることながら、口どけの良い優しい甘さが魅力の食べ物だが、そんな和菓子を引き立てる甘味といえば「あんこ」だろう。タイトル写真:flickr
あんことは?
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あんことは、食べ物の中に詰める詰め物「餡」のこと。餡は、中国から伝わった点心に入っている肉餡がルーツといわれており、日本に伝来後、時を経て、小豆などを甘く煮て作る今日でいう甘味としての餡子が開発された。ちなみに「あんこ」という呼び名の由来については定かではない。
あんこの種類
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あんこには種類が複数ある。大きく分けると、餡に使う原材料、製法、加工の仕方の違いなどによって種類が分かれるが、代表的なものをこれからご紹介しよう。
原料によるあんこの種類
1. 小豆あん(赤あん)
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色:小豆色
原料:小豆
2. 白あん
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色:白
原料:白小豆、白いんげん豆や大福豆といった白い豆
3. その他の素材を使ったあん
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色:数種類
原料:青えんどう、枝豆、栗、ごまなどいろいろ
製法によるあんこの種類
1. 粒あん
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小豆の粒をつぶさないように煮て甘味を加えて作る、豆の形を残した餡。
2. こしあん
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豆を完全につぶし、さらに裏濾して皮を取り除き、甘味を加えて作る餡。
3. 小倉あん
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こしあんに大納言などの粒あんや密煮した小豆を混ぜ合わせた餡。
日本の代表的なあんこ菓子
ではここで、日本で気軽に買って食べられる、親しみやすいあんこを使った和菓子を紹介しよう。
1. 大福
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薄くのばしたもちの中にあんこを包んで作る和菓子。「大福餅」ともいわれる。中に入れる餡は、今ではあんこ以外にもいろいろバラエティに富んでおり、お店によってオリジナル大福なるものが作られていたりする。
2. おはぎ
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お米ともち米を混ぜて炊き、できあがったものを丸めてあんこなどで包んだもの。いろいろな行事やお祭、例祭の時などにお供えものとして用意されたり食べたりする日本の一般家庭でなじみの深いあんこを使った食べ物。
3. たい焼き
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鯛の焼き型に小麦粉などで作った生地を流し入れ、中にあんこなどを詰めて焼いて作る和菓子。もともと「今川焼」という丸い形の菓子があったのだが、その形を当時お祝いの席などで提供される特別な魚として人々に知られていた鯛の形に変えたものといわれている。あんこ以外にもさまざまな餡が入れられ、いろいろな種類のたい焼きが販売されている。たい焼きは海外でも非常に知名度の高い、人気の日本の和菓子だ。
以上、今回ご紹介した和菓子以外にも、日本にはあんこを使った和菓子はたくさんある。こんなにあんこを使ったお菓子がある場所も世界にはないので、日本人として、是非いろいろなあんこ菓子に挑戦してみてもらいたい。
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