専門書でも見つかる日本一の古書街・東京「神保町」を巡る
この街に無い本は無い
東京都内、靖国通り・白山通りという、大きな2つの通りが交差する辺りのエリアは神保町(じんぼうちょう)と呼ばれる。神保町は大量の書店が立ち並んでいることで有名なエリアだ。
歩いてみると、右を見ても、左を見ても、何がしかの書店が目に入る。大きな書店もあるが、何より目立つのは個人経営の小さな古書店の数々だ。日本各所の個人経営の古書店が次々と閉店に追いやられる傾向にある中、古書店がこれほど無数に、そしてこれほど密集している地域は実に珍しい。
その店舗の多さから(その数約150店舗)、「この街に無い本は無い」とまで噂される。少々オーバーな表現だが、この街には常識を遥かに超える本の山が眠っているのは確かである。
書店の隣は書店、という光景もザラである。
このビルは1階から8階までテナントのほとんどが書店である。
教育機関に囲まれて
その中でもすずらん通りは、神保町の中でも中核となっていると言っても差し支えない通りだ。それは、19世紀の後半、日本が近代化していく中で、この周辺地域に次々と教育機関が設立され、学生や教師の利便性から、自然とこの地に書店が集まったのだという。
現在でも周辺に大学が散在するのは変わらず、多くの学生が、それぞれ学んでいる分野の専門書を求めて、神保町を訪れる姿が見られる。オフィシャルサイト
各専門に特化した古書店
店を巡っていると、それぞれの店が違った色を持ち、専門に特化していることに気づく。歴史、宗教、美術、東洋思想、骨董品、中には占い関係の書物専門店までも存在する。写真は、特に古い和綴本を中心として取り扱っている店である。
こういった数々の店を探せば、絶版となった入手困難な貴重本を発見できることも多いし、またインターネットを通じて取り寄せるよりも幾らか安く購入できる場合が多いのだ。まさしく宝探しといった気分が味わえる。
左:国語学・国文学専門
右:歴史・民俗・考古学・国文学・文化系一般
と書いてある。
グローバルな古書
量は日本語のものに劣るが、海外の書物もかなりの量が販売されている。写真はロシア語の書物売り場だ。他にも英語はもちろん、中国語、フランス語、ドイツ語、イタリア語など、様々な言語の書物がある。
日本にいながら、これほどたくさん、そしてこれほど雑多に世界各国の本が積み上げられている光景を目にすることができるのは不思議な感覚である。
<アクセス>
都営新宿線 神保町駅
三田線 神保町駅
都営半蔵門線 神保町駅 いずれも徒歩1分。
JR 御茶ノ水駅
都営千代田線 御茶ノ水駅 いずれも徒歩7分。