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Goin’ Japanesque!

ダークファンタジーの名作!藤田和日郎がマンガで描く新しい戯曲「黒博物館 ゴースト アンド レディ」

本作品タイトルにもある「黒博物館」は、ロンドン警視庁に実在する資料室です。実際は非公開なので、物語に登場する人物や博物館内部は想像で描かれた物。しかし、物語の出発点としては、とても興味深い博物館でしょう。今回ご紹介する作品は、そんな「黒博物館」から始まります。

 

あらすじ

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http://www.moae.jp/

イギリスはロンドン警視庁の中にある犯罪遺留品を展示する博物館、通称「黒博物館」。

ある日、そこに来訪者が訪れる。

彼が観覧したい物品は「グレイマンのかち合い弾」。

 

一発の弾丸と弾丸がぶつかったもので、ドルーリー・レーン王立劇場に出没する幽霊「グレイマン」が残したものと言い伝えられている。

実は訪問した彼には「かち合い弾」を残した当本人、幽霊グレイマンが憑依していた。

彼は弾の由来を学芸員へ語り始める。

 

幽霊グレイマンが言うには、人々は互いの意見を交わしている時に「生霊」を飛ばし合い、相手の心を折ろうと争っている。

しかし、劇場で劇を観覧して熱中している間は「生霊」を飛ばさないので、劇場は幽霊グレイマンには居心地の良い静かな場所であった。

そんな彼の元へ、一人の若い女性が訪れる。

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彼女は幽霊グレイマンに自分を憑り殺して欲しいと依頼してきた。

彼女の名前は「フロレンス・ナイチンゲール」。

彼女は自分の非力さを嘆き、その思いが巨大な生霊となって彼女自身を傷つけている、そんな奇妙な光景を見た幽霊グレイマンはナイチンゲールと約束をする。

それは、「彼女がこの世に絶望しきったときにその命をグレイマンが奪う」という約束。

 

時は、衰退したオスマントルコの代理国であるロシアと、それに対抗したイギリスやフランスとの戦い「クリミア戦争」直前の西欧。

ナイチンゲールと幽霊グレイマンの奇妙な物語が始まる。

 

登場人物

1.フロレンス・ナイチンゲール

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自分を攻撃する巨大な生霊を連れた、うら若き女性。

近代看護教育の創始者であり、クリミア戦争で従軍看護婦として活躍した実在の人物。

2.幽霊グレイマン

ドルーリー・レーン王立劇場の観覧席に現れる「灰色の服の男」と呼ばれている幽霊。

この幽霊が興行に出現すると大成功するというジンクスがある。

実は生前では、決闘の代理人を生業としていた。

ひょんなことから、ナイチンゲールと行動を共にするようになる。

3.ジョン・ホール軍医長官

クリミア戦争最前線にある医療機関のトップに立つ軍医。

自分の不手際が発覚する事を恐れ、その地位を利用して、戦場にある診療所の改革を行うナイチンゲールの邪魔をする。

4.デオン

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ジョン・ホール軍医長官に憑りつく幽霊、生前にグレイマンを殺した人物。

ジョン・ホール軍医長と共にナイチンゲールとグレイマンを妨害する。

 

考察

本記事のタイトルにある通り、本作品は非常に戯曲的な雰囲気と内容を持った作品です。

特に物語冒頭のナイチンゲールと幽霊グレイマンが交わす約束は、「ファウスト」を思い起こさせ、また決闘や劇場など戯曲的な要素が多く盛り込まれています。

作者の「藤田和日郎」は、妖怪や怪異をテーマに描く漫画家ですが、本作品でも歴史的事実や実在の人物と共に幽霊や生霊といった存在が跋扈し、独特の雰囲気を醸し出しています。

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その物語の雰囲気を投影した様な、太く削り出した様な独特のタッチで描かれた絵は、絵本の挿絵の様であり、またキャラクター達の心情までも描いた様なのが特徴的です。

物語では近代看護教育を打ち立てた偉人としてのナイチンゲールの姿は描かれません。

その偉業をなす直前の物語が描かれ、ナイチンゲールがそうした偉人として成長する姿が描かれます。

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この「黒博物館シリーズ」には、前作「黒博物館 スプリンガルド」もあります。

こちらは、同時代にあった都市伝説「バネ足ジャック」を主人公としたダークファンタジーです。

本記事で「黒博物館シリーズ」をお知りになった方は、そちらも読まれると良いと思います。

ちなみに、「黒博物館」と「学芸員」に関しては、まったく違う作者の別作品「エンバーミング」(作者:和月伸宏)にも登場しています。

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Berial the Demon

About the author

It has been over 40 years of reading manga in the deep world of manga. Japan’s manga has an endlessly wide variety of genres. I will be recommending special manga for you to read from such infinite amount of works.

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