マンガ「銃夢(Battle Angel Alita)」の全貌 ― アバターで知られるジェームズ・キャメロン監督が映画製作を熱望していたマンガ
今回ご紹介したいマンガのタイトルは「銃夢」(英語版「Alita: Battle Angel」)。
この作品は、「タイタニック」や「アバター」で有名な監督ジェームズ・キャメロンによってこれから映画化される事が決まっている(2017年から映画製作開始予定)。
「銃夢」をご存知ない方にもわかりやすく作品の詳細と魅力をお伝えします。
概要
舞台は遠い未来の地球。
記憶を無くしたサイボーグ少女「ガリィ(英語名:アリタ)」の活躍を通して「空中都市ザレム」と「クズ鉄町」という世界の変革が描かれていきます。
登場人物
1. ガリィ
記憶喪失で全身サイボーグの少女。
格闘術「機甲術(パンツァークンスト)」の使い手であり、その格闘術を用いて様々な揉め事を解決する。
2. イド・ダイスケ
サイボーグ達の診察をするサイバネティクス医師。
温厚でやさしく、常識人で、街の人々からも信頼の厚い彼であるが、実は賞金稼ぎとしての一面を持つ。
3. ディスティ・ノヴァ
作品で準主役となる天才科学者。
人間は全て実験材料として接する生粋のマッドサイエンティスト。
あらすじ
遠い未来では、上級市民が暮らす「空中都市ザレム」と下級市民達が暮らす「クズ鉄町」とに分かれていた。そしてそこに暮らす人々は、肉体の一部または大部分を機械化しており、まさに機械と人間が融合した世界。
「イド・ダイスケ」は、記憶を無くしたサイボーグ少女「ガリィ」を拾い上げる。ガリィは、とある事件で、危機に陥ったイドを助ける為に格闘術「機甲術」を駆使して敵と戦う事になる。
その戦いは「ザレム」と「クズ鉄町」の関係を変化させて行く。さらには、ディスティ・ノヴァによって、世界全てが大きく変化して行く。
本作品の魅力
日本的なデフォルメを継承し、アメコミの様な力強いタッチと背景の細部まで書き込まれた緻密な絵が、その世界観に確固たるリアリティを与えています。
舞台設定も最新科学情報や、SF小説からの引用など多岐に渡り、サイバーパンクの作家「ウィリアム・ギブスン」や「アイザックアシモフ」「ラリー・ニーヴン」などの系譜にあたる良質なSF作品です。その世界観は「アンダーワールド」や「エリジウム」など、海外のSF映画へも影響を与えています。
また、脇役にも役割がしっかり与えられ、独自のストーリーが展開してゆきます。最大の悪役である「ディスティ・ノヴァ」も、生きる意味をガリィや読者へと問いかけます。
「その者が自由意志をもっているか自動機械かは・・・・・・
生まれや体のつくりではなく・・・
どう生きたかにかかっているのです!」
ディスティ・ノヴァ談
日本での刊行物
海外では8ヶ国語に翻訳されて出版されています。そしてさらに物語は「銃夢 LastOrder」へと続いています。そこでは、地球から脱出した人類の変化した驚くべき未来の姿、そして「ザレム」や「クズ鉄町」の存在理由、そしてガリィ自身の失った過去が明らかになっていきます。
そして「銃夢火星戦記」で物語は火星へと移って行きます。
映画化
ジェームズ・キャメロンは、自らがメガホンを取ることは諦め、後任として「デスペラード」や「スパイキッズ・シリーズ」のロバート・ロドリゲス監督が起用されています。映画は2018年7月に公開予定です。
まとめ
「銃夢」の広大で現実感溢れる世界と活躍するガリィ達の姿を読めば、ジェームス・キャメロンが本作を愛し、映画化を決めた理由がきっと理解できるでしょう。公式サイト:銃夢