「妖怪」はアニメや漫画だけじゃない!?日本に昔からいる身近で不思議な存在
日本の歴史とともに、昔から息づく存在「妖怪」。昔話や言い伝えには、彼らの存在があちらこちらで描かれている。彼らは幽霊でもなく、もちろん人間でもない異形の存在である。今回は、日本人にとって馴染み深い妖怪についてご紹介しよう。
妖怪とは、日常にある理解を超える不思議な現象や出来事を、人々が神聖化し具現化したものといわれている。そのため、私たちの身の回りにさまざまな現象が起こることがあるように、妖怪には数えきれない程の種類があり、時に「妖」や「物の怪」とも呼ばれ、人を怖がらせたり、危害を加えたりすることもある一方で、恩恵を与えてくれる妖怪もいるといわれている。タイトル:photo by flickr
日本で有名な妖怪3選
数いる妖怪の中でも、昔からよく知られている日本の代表的な妖怪をいくつかご紹介しよう。
1.河童
体格は小さく、全身は緑色、頭に水でぬれた皿をかぶり、手足には水掻きがあり、背中には甲羅を背負った姿で描かれることが多い。大好物はキュウリ。
今日では、さまざまな所でキャラクター化され、かわいい生き物のように見える河童だが、川や沼などの水辺に生息し、近くを通りかかった人や馬や牛などを水中に引き入れて溺れさせたり、田畑を荒らすなどの悪さをすることがあるといわれているが、一方で水神の象徴とされることもある。
2.天狗
高い鼻に赤ら顔、背には鳥の羽をもち、山伏(山で修行をする行者)の恰好をして空を飛ぶ山の中に住む妖怪といわれている。天狗は、ヤツデの葉の形の団扇などの霊力の篭った道具、さらには神通力を持ち、人を襲ったり、火事を起こす恐ろしい存在として人々から恐れられてきた。
しかし、悪とイメージされる一方で、天狗を山神としている地域もあり、天狗に関する伝説は各地にさまざま存在する。
「天狗」という言葉は、インドの仏典で「流星」を指す言葉で、それを中国語に訳したときに「天狗」の字があてられたといわれている。
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3.鬼
頭には2本の角、巻き毛の髪、そして口には牙を持ち、虎柄の褌を身に着け、手には金棒を持った怪力の大男としてイメージされている妖怪。肌の色は、赤、青、緑など数種あるが、巷によく定着しているのは赤い肌をした「赤鬼」だろう。
鬼は、人に化けて人を襲う非情な怪物と恐れられており、日本の昔話では、鬼は悪役として登場し、主人公が鬼退治をすることで物語がハッピーエンドとなる話がいくつもある。
妖怪が出てくる日本の有名漫画とアニメ作品
1.妖怪漫画の草分け的作品『ゲゲゲの鬼太郎』
主人公の鬼太郎が、仲間の妖怪と一緒に悪い妖怪と戦ったり、時に自分勝手がすぎる人間を正し、人間と妖怪の仲裁役を担いながら、妖怪と人間が共に生くために奮闘する物語である。漫画はアニメでも放映され、シリーズ化して多くの世代に長く親しまれてきた、日本の超有名妖怪漫画。
また、2016年7月26日~8月29日までの間、東京の池袋で「体感妖怪アドベンチャーGeGeGe水木しげるの大妖界」という企画展が開催された。過去に台湾、大阪でも開催された大人気企画展ということもあり、今回も多くの来場者で賑わった。
2.子どもたちに大人気!『妖怪ウォッチ』
もとはニンテンドー3DSのゲームソフトの作品だが、コミックやアニメなどの多角的メディア展開をし、近年子どもたちを中心に絶大な人気を誇る。
妖怪を見ることができる「妖怪ウォッチ」を手に入れた主人公が、日常の中で出会う妖怪たちと友達になり、彼らの力を借りていろいろな人たちの悩みや問題を解決していくというストーリー。妖怪キャラクターたちの造形が可愛く、妖怪を生みだすヒントとなる日常現象への着眼点が面白いので、子どもだけではなく、大人が見てもなかなか楽しめる内容の作品である。
実は妖怪のような不思議な存在は、日本だけでなく世界各地でも言い伝えや伝説などの中にしばしば登場することがある。彼らを知ることで、日本とその国や地域が持つ人々の精神性や文化などの違い、意外と面白い秘密がわかるかもしれない。
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