和食には欠かせない日本のスーパーフード「味噌」の奥深さ
日本の食べ物は世界の国々から見てもとてもユニークで、他に類を見ないものがたくさんあります。例えば寿司やそば、うどん、たこ焼き、お好み焼き、おにぎり、漬物、納豆など数えきれません。しょっぱかったり、すっぱかったり、納豆のように摩訶不思議な味があったり、また、寿司のように作りが細かく、細部までこだわる日本人の国民性が表れているようなものもあります。和食は芸術性まで求めるものが多いのです。
そんな日本の食べ物ですが、今では世界的にも知られているように、とても健康的。その健康的な食材の一つに「味噌」があります。味噌はもっとも日本らしい食材の一つであり、日本人には欠かせないものです。
味噌は日本にしかない食材
味噌はつぶした大豆に塩と麹を混ぜて発酵させたもの (Writer’s Photo)
現在日本には何百種類もの味噌がありますが、基本的な作り方は同じです。柔らかくゆでた大豆を細かくなるまで手や棒などを使って潰します。細かくつぶしたら、塩と麹を加え、さらに混ぜ合わせます。よく混ぜ合わせたら、木や陶器の桶に詰め込んでいきます。後は常温で半年から1年ほど置いておきます。そうすると発酵が進み、おいしい味噌ができるのです。このように作り方はとても簡単なので、昔はどの家庭でも味噌を作っていました。現在はライフスタイルの変化で家庭で作られることはだいぶ少なくなりましたが、未だに日本人にとって欠かせない調味料としてどの家にもあるものです。
そんな味噌の歴史は古く、縄文時代までさかのぼるようです。しかし、どのようにして生み出されたのかは完全には解明されていません。いずれにせよ、生み出してくれた人には日本人のすべての人が感謝することでしょう。味噌が調味料としてしっかり認識され始めたのは、江戸時代からだそうです。その時から研究されるようになり、様々な種類の味噌が作られたり、おいしい作り方が発見されたりしました。現在味噌は様々な料理に使われますが、おいしい味噌を使えば、どんな料理でもおいしいものに変身させてしまうほどの力があります。
味噌の最も基本的な食べ方:味噌汁
味噌の最も基本的な使い方は味噌汁に入れることです。誰でも簡単に作ることができ、日本人であれば1日に1回は食べているでしょう。
作り方はもの凄く簡単。鍋に水を入れ、沸騰させます。沸騰したら鰹節や昆布を入れて、だしをとります。だしがとれたら、好みの野菜や海草を入れます。例えば、大根、ネギ、ジャガイモ、わかめ、豆腐などです。ある程度熱して、食材が調理されれば、火を止め、味噌を溶かし入れて完成です。早ければ10分ほどで作れてしまいます。
また、味噌汁は家庭によって使う味噌や具材が違うため、親せきや友達の家に行ったときにその家の味噌汁を食べると意外な発見があったりして、面白いこともあります。ちなみに味噌汁はあくまで「汁」=「スープ」なので、飲むことをメインとし、具材の量は調整する必要があります。
味噌は日本のスーパーフード!
実際に朝食に味噌汁を作ってみました。
味噌汁は毎日の食事に欠かせないものである (Writer’s Photo)
味噌にはあらゆる栄養素が含まれており、まさに日本のスーパーフードといえるでしょう。「一日一個のリンゴは医者知らず」といわれるように、味噌も「味噌汁は飲む点滴」といわれています。一日一回でも味噌汁を飲めば、体に栄養が回り、健康的になれるのです。
なぜ味噌にたくさんの栄養素が含まれているかというと、それには発酵が絡んでいるようです。大豆を発酵させることで、少量だった栄養素が増えたり、もともとなかったものが生成されたりします。そんな栄養素の中には8種類の必須アミノ酸やビタミンB1、B2、B6、B12、パントテン酸、ビオチンがあります。また、無機質、例えば、ナトリウム、カリウム、鉄、亜鉛などもあります。その他たくさんの栄養素が味噌には含まれていますが、まさに食べるだけで健康的になれる食材なのです。
しかも味噌は様々な効能を持ちます。例えば、がんのリスクを下げる、とか、生活習慣病のリスクをさげる、というのがあります。また、老化を防止したり、高血圧を抑えたりする効果もあります。まさに、日本人の長寿を支える食材なのです。
不思議な国日本の不思議な食べ物、味噌。その味もまた不思議なもので、世界のどの国に行っても味わえないものだと聞きます。味噌は日本の歴史と文化がたくさん詰まっており、未来への可能性も大きく秘めた食材です。日本のすべてを凝縮したような「味噌」を味わってみれば、より日本のことを知ることができるかもしれません。