日本の芸術的な飾り切りの世界「笹切り(バラン)」 ― 寿司を輝かせる伝統的職人技
日本の寿司には、必ず緑の葉っぱが一緒に飾られています。実はその葉っぱには、単なる飾り以外の目的がありました。これから、その役割と、寿司職人の見事な包丁捌きによって作られた芸術的作品をいくつかご紹介しましょう。
バラン切り、笹切りとは
寿司や刺身、弁当などの隙間に入っている葉蘭(ハラン)や熊笹を使った仕切りの事。今ではプラスチック製の人工バランが多くなっているが、昔は職人の包丁捌きを上達させる上での格好の練習台/修行の一部だった。
笹細工の役割
– ネタとネタとの味移りを防ぐ
– 彩を豊かにし、盛り付けを美しく見せる
– それ自体に抗菌効果があり、生魚にはうってつけ
笹細工の種類
上3つ「せきしょ」、下3つ「化粧笹」:http://blog.goo.ne.jp/shinya1358-kamikawa
笹細工には用途によりいくつか種類がある。
– 剣笹、せきしょ:料理の間に立てて使う。江戸時代の「関所」から連想される通り、言葉としても「区切る」と言う意味がある。
– 敷き笹:料理の下に敷く。主に握り寿司や刺身の盛り合わせの下に。
– 化粧笹:料理の上に乗せる。特にお祝い事などで用いられ、縁起物である鶴や亀、または家紋などのデザインがよく見かけるデザインである。
– 飾り物:料理に使うものよりも大きく、趣味や作品としての意味合いが強い。職人同士の腕の見せ合いといった所だろうか。
化粧笹「鶴と富士山」:http://kazari.doorblog.jp/
化粧笹「亀と富士山」:http://worldchefsbible.com/
飾り物「錦鯉」:http://cinnamon-cardamon.blog.so-net.ne.jp/
飾り物「江戸美人」:http://www.miyamae-portal.net/
もしかすると、笹細工の用途や意味について疑問に思っていた方もいたのではないでしょうか。本格的な日本料理店へ行けばもちろんだが、コンビニの弁当などにも入っている事があるので、見かけたらどういったデザインか観察してみて下さい。