13年連続第1位!「足立美術館」 ― 横山大観の絵をモチーフに造られた国内トップの日本庭園
素晴らしい日本庭園を見たいと考えた場合、まず思い浮かぶ場所は京都や東京です。しかし、日本一の日本庭園は京都や東京にはありません。13年連続日本一、そして世界一になっているとっておきの日本庭園を持つ美術館をご紹介しましょう。
足立美術館について
1970年、島根県安来市(やすぎ)に足立全康(当時71歳)によって創設された美術館。米国の日本庭園専門誌「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」による日本庭園ランキングで、13年連続第1位を受賞しており(2003年の開催から今まですべて第1位)、世界からも賞賛されている。これは京都桂離宮が第2位である事からも、容易にその凄さが伝わるだろう。また「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」でも最高評価である三ツ星を獲得しており、これは日本全国の日本庭園1000カ所以上の中から選出されているものだ。
事前に知っておきたいこだわりの数々
1.横山大観(よこやまたいかん)コレクション
日本庭園を見に行く前に、日本画約1500点をまず見て欲しい。その内約130点を占めるのが横山大観の作品で、このコレクション数は他に類を見ない日本一の数だ。創設者足立全康が横山大観に向けた情熱の強さが伺える。
<横山大観による作品>
2.日本庭園
日本画の展示作品を見て心を落ち着かせたら日本庭園を見に行こう。足立美術館の日本庭園は、その広大さが特徴で、その広さはなんと5万坪にも及ぶ。6つの庭園が用意されているが、その中でも特に代表とされているのが、上記の枯山水庭と白砂青松庭だ。
白砂青松庭は、横山大観の作品「白沙青松」をモチーフにした日本庭園で、その姿は奇跡的な美しさである。「白沙青松」は、横山大観の頭の中の架空の日本庭園であったが、それを現実世界に再現してしまったのである。
また、電線などが視界に入ると嫌な為、後ろに見える山々も買えるだけ購入したと言う徹底ぶりだ。そして、高さ15mの人工の滝まで作ってしまうほど情熱を注いでいる。
そして、足立美術館の日本庭園内には基本的に入る事ができない。その理由は、日本庭園も作品同様一枚の絵としてとらえている為で、このように外から眺めるのだ。
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3.生の額絵
言っておくが、これは絵画ではない。窓が額縁の役目をし、くり抜かれた日本庭園を絵画として見立てている。新たな視点から日本庭園を眺める事ができるだろう。
4.生の掛け軸
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こんな所にもこだわりが。通常掛け軸が飾られるいる床の間の壁をくり抜き、窓同様、額縁の役割を担わせている
こだわりを知った上で更に
1.季節による変化を楽しむ
年に4回、季節毎に庭と作品を調整している為、何度訪れても新たな表情を見る事ができる。一切来客者を飽きさせる事はない。
2.お茶を楽しむ
日本庭園内に休憩所としてお茶室が用意されている。最高の安らぎスペースだ。
創設者足立全康の「世界の足立美術館にしたい」と言う夢とロマンは、亡くなってから達成されました。その情熱は、来客者をがっかりさせない為、創設以来年中無休営業を続けている程です。多くのこだわりを持ち、多くを極めている足立美術館は、あなたの期待を裏切る事のないお勧めの美術館。ぜひ一度体験してみて下さい。日本人ならば、必ず一度は足を運んでおくべき美術館の1つです。
JR安来駅またはJR米子駅から無料のシャトルバスが出ています。地図