家紋:侍にとってとても重要だった日本独自の文化
家紋とは、源氏平氏の時代、他の氏族と区別する為に使用し始めたとされる家の紋章である。家柄や血統などを表す家紋は、現在の苗字に変化し受け継がれている。家紋は、欧州圏のエンブレムとも少し意味合いが異なり、日本独自の文化だと言われている。
家紋の歴史
発祥の時は平安時代後期まで遡り、一気に普及したのが戦国時代だと言われている。戦国時代は戦いが多かった為、敵味方を区別する意味で、家紋の種類が一気に増加した。そして、江戸時代、明治時代になると、戦いはどんどん減っていき、家紋は家柄を表す意味を残して定着し、それが文化となった。家紋の入った紋付袴や提灯などの古い写真をあなたも見た事がある事だろう。
また、伝統芸能(歌舞伎や能楽など)や老舗では、今でも家紋を前面に出し、暖簾などに使用している場合も少なくない。お葬式の際に着る礼服に家紋を入れる文化は、今現在でも広く浸透して残っている日本文化である。
家紋の種類
家紋は、その題材によっていくつかのカテゴリーに分けられる(植物紋、動物紋、天然紋、文様紋(もんようもん)、尚武紋(しょうぶもん)、花紋(かもん)など)。その大カテゴリーの中には、一般的に多く分布している5つの家紋が含まれている(五大紋)。
五大紋
1. 鷹の羽紋(たかのはもん)
尚武紋の1つ。鷹の羽を図案化したもので、主に武士の間で流行した家紋
2. 片喰紋(かたばみもん)
植物紋の1つ。非常に繁殖力・生命力の強いカタバミを図案化したもので、子孫繁栄の縁担ぎの意味合いがあり、大衆に広く使用されている家紋
3. 木瓜紋(もっこうもん)
花紋の1つ。瓜の切り口や鳥の巣を図案化したなど諸説ある家紋
4. 藤紋(ふじもん)
花紋の1つ。藤の花を図案化したもので、苗字に藤の付く家系(藤原、加藤、斉藤、後藤、内藤、藤井、伊藤など)に良く使用されている家紋
5. 桐紋(きりもん)
花紋の1つ。桐の花を図案化したもので、菊紋と共に、皇室が用いた家紋
これら五大紋の中で、更に細かい種類に枝分かれしている。確認されているだけでも、日本だけで数千種類の家紋があるとされている。先祖が眠る自身の家系のお墓に行けば、家紋が刻印されているので、どの系統の家紋を引き継いでいるのか確認できるでしょう。