お食い初め:生後100日目に行う赤ちゃんの為の儀式
日本文化には星の数ほど伝統的な儀式が存在する。通常儀式と聞くと、神社仏閣などで厳格に催されるものを思い浮かべるが、実際、私達日本人の生活の中で行われる、家庭的な儀式も数多く残っている。今回は、そんな家庭で行われる赤ちゃんの為の儀式「お食い初め」についてです。タイトル写真
お食い初めとは?
生後100日目(110日目、120日目の場合もある)に、これから一生食べるものに困る事が無いようにと、赤ちゃんに初めて物を食べさせる(食べさせる真似)、平安時代から続く、家庭での伝統的儀式である。初めて箸を使うと言う事で、別名「箸揃え」「箸初め」と呼ばれる事もある。
お食い初めに使う食器
正式には、高足の漆器の御膳を使う。男児は内外共に朱色の漆器、女児は外側が黒で内側が朱色の漆器。細部までこだわるなら、箸は柳の白木、茶碗には鶴や松などの模様、お膳には紋が描かれていると更に正式となる。
献立
一汁三菜と鯛の尾頭付が基本。このセットを「祝い膳」と言う。詳しく説明すると…
1. 赤飯
2. 尾頭付きの魚(鯛が一般的)
3. 吸い物(汁物)
4. 煮物
5. 酢の物(漬物)
6. 歯固め石
http://smallnight1112.blog137.fc2.com/
歯が丈夫になるようにと、神社から拾ってきた小石を噛ませる為(歯固めの儀式)。
7. 梅干
梅干のように、シワシワになるまで長生きするように。
8. 紅白の餅
食べさせる順番
基本的には、ご飯、汁物、ご飯、魚、ご飯、汁物の順序を×3回繰り返す。上記の献立すべて用意した場合は、下記のような順番となる。ただ最近では、順番に強くこだわる事は少なくなってきている。
ご飯→汁 ご飯→魚 ご飯→汁
ご飯→煮物 ご飯→汁 ご飯→酢の物
ご飯→汁 ご飯→歯固め石 ご飯→汁
今回解説したお食い初めは、赤ちゃんへ願いを込める意味も当然あるが、家族全員が集まり行う事により、身内の絆を深められる事が最も素晴らしい事。日本の伝統を絶やさず伝える事は、影にはそのような意味も含まれています。もしお子さんがいる方は、興味があればぜひお食い初めをやってみて下さい。良い思い出となるはずです。