日本の伝統を守る日本橋の老舗4 ― 「榛原」「丸善」「西川」「木屋」
東京日本橋地区は昔、商業、文化の中心として栄えた地域です。数々の伝統品を揃えた店が並び、今も昔の面影が残っています。また日本橋で取り扱われる商品の数々は、とても高価な物が多いことでも有名です。その理由はどれも職人の最高技術で作られた一級品ばかりで、当然その全てが長持ちし、それぞれの商品の質と手間に見合った価格設定がされているからと言えるでしょう。日本橋を訪れれば、あなたも本物の質と技術が結集した商品を手にする事ができるはず。今回はその中でも、日本らしさ溢れる伝統深い4店を選びました。購入しないとしても、観光目的で行くだけでも大満足間違い無しのお勧め店ばかりです。
榛原(はいばら)
「榛原」は和紙専門店。創業1806年で、200年以上続いている老舗です。和紙はとても丈夫で、とても長持ちするのが特徴です。洋紙の寿命が100年なのに対して、1000年以上の長い年月、紙としての性質を保つと言われています。
和紙は、日本の生活の様々な場面で使用されています。有名なのは、和室の障子や書道の半紙ですが、その味わい深さや手触り、寿命の長さから、扇子や折り紙、色紙などにも使用されます。榛原は、そういった多様な和紙製品が揃っている、とても興味深い場所です。
その中でもお土産としてお勧めなのは、はいばらうちわ(木版摺りうちわ)です。うちわの丸型は、この榛原が発祥だと言われていて、関東でただ1人の団扇職人が、竹の骨を一本一本手作業で張り合わせ作っています。地図
丸善
1870年に横浜から日本橋に進出してきた「丸善」。その中でも注目は、万年筆です。
夏目漱石や芥川龍之介など、数多くの文豪達が丸善の万年筆を愛用していました。
また、万年筆という日本語の由来は、丸善の売り場担当であった萬吉さん(萬吉筆)から変化して、万年筆となったのが由来だと言われています。地図
西川
「西川」は1566年創業で、1615年に日本橋に進出してきた布団専門店です。老舗が並ぶ日本橋の中でも、最古の店で、2015年には日本橋出店400周年記念が開催されました。
歴史があるので、信頼できる上品な店内です。
人気は真綿掛け布団。繭を2時間釜で煮て、その後650回も手引きの工程を行っているので、驚く程ふわふわです。お布団派の方にはたまらない寝心地を約束してくれます。地図
木屋
1792年創業の刃物専門店「木屋」。単に刃物と言っても色々あって、木屋が取り扱う品数は、包丁だけで300種類以上です。鋼を使った最高級の爪切りも販売しています。
木屋のメインはやはり包丁。近年では日本だけでなく海外でも和包丁は高く評価されています。
和包丁は、刀と同じで鋼製です。今では家庭用のステンレス製包丁が主流となってしまっている中、この木屋では、鍛冶職人の最高和包丁を購入する事ができます。もちろんステンレス製も取り扱っていて、それさえも切れ味がすごいと評判です。地図
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本日取り上げた4店は、ずば抜けて質の良い商品を取り扱っているお店です。まさにジャパニーズブランドと言えるでしょう。冒頭でお伝えしたように、見に行くだけでも楽しめるのでぜひ一度お立ち寄りください。